世界一のレスラー、猪木の異種格闘技戦シリーズ。「vs. ウイリエム・ルスカ(三戦目)」、空手家との試合「vs. キム・クロケード」「vs. ウィリー・ウイリアムス」を紹介します。
①アントニオ猪木 vs. ウイリエム・ルスカ
(1979年(昭和54年)10月5日:韓国)
(内容)猪木がルスカと三度目の対戦。場所は韓国。青紫(?)のガウンの猪木が先に入場。次いで柔道着のルスカ。柔道技、グラウンド、プロレス技の応酬が見られた試合。ルスカが腕ひしぎ、首投げ、柔道の投げ技、エアプレンスピン、道着を脱ぐパフォーマンス(お約束?)。猪木は張り手、足を取ったりといったグラウンド、レッグシザース、アリキック、ボストンクラブ、アルゼンチンバックブリーカー、アームブリーカー、ストンピング(結構強め)、ドロップキック。最後は猪木が延髄斬りからの弓矢固めでギブアップ勝ち。ルスカは腕力がありそうだったが、猪木もパワーがあった。ルスカが脱いだ道着を使って攻撃するなど、プロレスらしいシーンも楽しめた一戦だった。
②アントニオ猪木 vs. キム・クロケード
(1979年(昭和54年)12月13日:京都府立体育館)
(内容)空手家クロケードとの一戦。クロケードはカナダの警官らしい。どんな動きを見せるか? 黒い道着で入場のクロケード。猪木は紺のガウン(セコンドに永源遙(アイドルっぽい名前))。花束贈呈、国歌吹奏。「1R3分 10回戦」。サウスポーのクロケード。派手めの構えから接近してキック、ヒジ打ち、ストンピング(全体的にあまり空手っぽくない攻め)。猪木は張り手、キック、キャメルクラッチの体勢から顔面に打撃。3R、猪木が畳み掛ける攻撃。ブレーンバスター、延髄斬り(一発目はスカ。二発目がクリーンヒット)、うつぶせの相手にギロチンドロップ。クロケードは立てず、カウントアウト。猪木が相手の攻めを受けながら、最後は一気に終わらせた試合。クロケードはキックが低く、ザ・モンスターマンと比べると微妙な選手だった印象。ただ、空手というのは恐ろしい格闘技。クロケードに見た目以上の強さがあったかどうかは対戦相手の猪木のみ知る、といったところ。
③アントニオ猪木 vs. ウィリー・ウイリアムス
(1980年(昭和55年)2月27日:日本武道館)
(内容)アリ戦に次ぐ好カード。極真空手のウイリアムスはなかなか面白い男。梶原一騎が製作した映画『地上最強のカラテPART2』で巨大グリズリーと対決したことで「熊殺し」と呼ばれる(本当に殺した?)。「プロレスこそ最強の格闘技」と言う猪木に「地上最強は極真カラテ」だとウイリアムスが対抗。そういうアングルで対戦が実現(しかし試合前、極真空手は他流試合を禁止しているため、ウイリアムスは破門されてしまった)。紺色のパーカー、白の空手着のウイリアムスが先に入場。次いで赤いガウン(桜の花びらのデザイン、背中には「闘魂」)の猪木。セコンドには藤波辰巳、長州力ら。両国国歌演奏。「1R3分 15回戦」。レフェリーは何故かユセフ・トルコ。赤いグローブを着けたウイリアムス。スラリとした身体から左ジャブ、右ストレート、サイドキック、後ろ回し蹴り。バランスがいい選手という印象。猪木はアリキック。組み合おうとする猪木だが、ウイリアムスはヒジ打ちで対抗。場外でやり合い、猪木が流血、試合中断。再開。パンチ、キックのウイリアムス。猪木は腕を取ろうとする。両者ドロップキック(共に外れ)。4R、場外で腕ひしぎを使う猪木。そのままドクターストップで引き分け。消化不良な結果。互いに得意技が異なるため、噛み合わなかった印象。しかし、猪木は肋骨、ウイリアムスは靱帯を負傷した。後年、猪木は「試合結果よりもウイリアムスのセコンドにやられたのが不満」「ウイリアムスの腕を折ろうと思ったが止めた。折らなくて良かったと思っている」と語っている。その後のウイリアムス。バスの運転手をしながらスポット的に格闘技試合に参戦。猪木と「ファイナル・カウント・ダウン 6th」で再戦(猪木勝利)。後進の指導にも当たっていたが2019年、心臓病で死去。67歳だった。
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