世界一のレスラー、猪木の異種格闘技戦シリーズ。「vs. チャック・ウエップナー」「vs. ザ・モンスターマン(再戦)」「vs. カール・ミルデンバーガー」を紹介します。
①アントニオ猪木 vs. チャック・ウエップナー
(1977年(昭和52年)10月25日:日本武道館)
(内容)ボクサーとの対決。当初、ジョージ・フォアマン(元世界ヘビー級王者)と試合する予定だったがマネーの問題でウエップナーに変更。ウエップナーは映画『ロッキー』の「ロッキー・バルボア」のモデルと言われている男。ニューヨークのスラム街で育ち、服役中にボクシングを覚え、27歳でプロデビュー。勝てなかったが、バスター・マシス、ジョージ・フォアマン、ソニー・リストン、モハメド・アリといった有名選手と対戦。ただ、猪木戦の時点では現役のボクサーではあるが、キャリア終盤。アンドレ・ザ・ジャイアントと異種格闘技戦を行ったこともある。赤いガウンのウエップナーが先に入場。猪木は白&紫のガウン(セコンドには山本小鉄ら)。花束贈呈。リングサイドではカール・ゴッチが観戦。「1R3分 10回戦」。赤いグローブのウエップナー。猪木は黒。ウエップナーがジャブ。猪木は左のガードを下げた構えからジャブ、そしてアリキック。後頭部を殴るウエップナー(荒々しい攻撃)。猪木はクリンチ、ウエップナーはロープブレイクでディフェンス。ロープ際でパンチを振るうウエップナーだが、レフェリーがロープブレイク。延髄斬りや腕ひしぎを使う猪木。しかし、4Rに右フックを食ってピンチ。ボディブローでダウン。6R、キラー猪木がスリーパー、延髄斬り、ボストンクラブ。二度目のボストンクラブでウエップナーがギブアップ。猪木が相手のパンチに苦しみながらも勝利。この試合で疑問だったのはルール。ボクシングの試合ならOKのロープ際での攻撃が許されなかったウエップナー。猪木に有利なルールだったような気もする。試合後のインタビューでは、猪木「試合前にアクシデントで足をケガしていた」「ブロックの上からでもウエップナーのパンチは効いた」「開き直った気持ちで試合した」といったことを語った。
②アントニオ猪木 vs. ザ・モンスターマン
(1978年(昭和53年)6月7日:福岡スポーツセンター)
(内容)プロレスとマーシャルアーツの再戦。前回と同じ「1R3分 10回戦」。モンスターマンとは既に決着がついていると思うが、再び勝負。速いジャブ、長いキックのモンスターマン。猪木の張り手一発で倒れる(この選手はやはり打たれ弱い)。ジャンピングキック、速射砲のようなパンチ。3R、ヒザ蹴りでモンスターマンがダウン。ハイキックを食って猪木がリング下に落下。モンスターマンの延髄斬り、キック連発で猪木が再びリング下に。4R、猪木がダブルアームスープレックス、腕固め、余所見したモンスターマンにドロップキック。5Rにも猪木が張り手。6R、両者もつれ合って場外へ。猪木がモンスターマンの額にキック、後頭部にギロチンドロップ(二発)、延髄斬り。7R、猪木が畳み掛ける攻撃。アリキック、ブレーンバスター、バックドロップ。最後はグランドコブラで猪木が勝利。前回と同様、離れた距離ではモンスターマンのパンチ、キックは素晴らしいものがあったが、接近戦では猪木がパワーで優勢。ただ、7Rのバックドロップから立ち上がるなどモンスターマンはタフなところを見せた。また、シューズが靴底が無い個性的なものだったのも印象的。
③アントニオ猪木 vs. カール・ミルデンバーガー
(1978年(昭和53年)11月9日:西ドイツ)
(内容)プロレスとボクシングの対戦。ミルデンバーガーは1966年に全盛時代のモハメド・アリの世界王座に挑戦して敗北したことがあるドイツ人。青いガウン、黒のショートタイツの猪木。ミルデンバーガーは白のトランクス。共に黒のグローブ着用。「1R3分 15回戦」。サウスポーのミルデンバーガーがジャブ、左ストレート。猪木は左のガードを下げた構えからジャブ、ワンツー、そしてアリキック。接近戦では互いにクリンチ。グラウンド技に持ち込もうとする猪木だが、ロープに逃げられる。3R、左ストレートを食って猪木ピンチ。左ボディ連打でダウン。4R、攻めるミルデンバーガーだが、猪木が延髄斬り。ボストンクラブでミルデンバーガーがギブアップ。プロレスとボクシングの混合ルールだった試合。プロレス技で猪木勝利。ボクシングのみならミルデンバーガーが勝っていたと思うが、猪木が隙を突く延髄斬りで一気に形勢を逆転。パンチ以外の攻撃ができないミルデンバーガーは最初から限界があった。
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