2024年6月2日日曜日

プロレス列伝「ジャイアント・キマラ:全日本・WWFでの戦い」

「世界のレスラー:プロレス専門ブログ」。「ウガンダの大魔神」と呼ばれたキマラ。必殺技はボディプレスとクロスチョップ。WWFでの怪奇派対決はどんな内容に?

プロレス列伝「ジャイアント・キマラ:全日本・WWFでの戦い」

ジャイアント・キマラ(1950年5月28日~2020年8月9日)

プロレス界には二人の「キマラ」が。今回紹介する「キマラ」はアメリカでは「カマラ」と呼ばれ、WWFやWCWで活躍した方。本名「ジェームズ・ハリス」。「ウガンダ出身」はキャラ設定で、実はアメリカ人(もう一人の「キマラ」は本名「ベンジャミン・ピーコック」。「アフリカ・ボツワナ共和国出身」「ボツワナ・ビースト」というキャラ設定で、コチラも実際はアメリカ人)。「ウガンダの未開部族、カマラ」というキャラを考案したのはあのジェリー・ローラーだそうだ。「カマラを発見した」謎の覆面探検家キムチーが通訳およびマネージャーを担当。フリッツ・フォン・エリックのWCCW、そしてWWFで活躍。NWA世界ヘビー級王座、AWA世界ヘビー級王座にも挑戦したということから、かなりの人気があったと思われる。


「ジャイアント・キマラ vs. 大熊元司」

(昭和60年8月2日:札幌中島体育センター)

(内容)全日本プロレス「サマードリーム・フェスティバル」での大熊戦。大熊は元・力士。全日本では中堅選手で、外国人レスラーの力量をチェックする役目。まず先に入場して相手を待つ。キマラがアフリカの仮面&ヤリで入場。セコンドは無し。花束が贈呈されるが、キマラ(顔に不気味なペイント。体にもペイント)には渡されず。レフェリーはタイガー服部。試合はやはりキマラが優勢。チョップ、キック、チョーク、タックル、クロスチョップ、ヘッドバット、ネックハンギング、エルボードロップ、ボディスラム。ややチョーク攻撃多め。大熊はトーキック、チョップで反撃するが、相手の巨体に通じない。キマラがトップロープに。ダイビングボディプレスで3カウント。勝利後、もう一発食らわそうとトップロープに登ったが、レフェリーに阻止された。キマラが個性をアピールして勝利。試合というよりキマラを売り出すような試合内容。馬場はアメリカでスターになった男。「選手の売り出し」はアメリカ流。大熊はいつも「やられ役」。


「カマラ vs. パパ・シャンゴ」

(1993年:アメリカWWF)

(内容)昭和の怪奇レスラーが新しい時代の怪奇派と対決。パパ・シャンゴはブードゥー教キャラ。白いペイント&ドクロがトレードマーク。正体はネバダ州ラスベガス出身のチャールズ・ライト。プロレスラー養成所「モンスター・ファクトリー」出身。WWF登場前は新日本にも参戦。「パパ・シャンゴ」としてWWF登場。まずはドクロを手にパパ・シャンゴ入場。カマラはアフリカ人らしい(?)ヤリと盾を持って入場。セコンドに黒人マネージャー。パパ・シャンゴのドクロにビビるカマラ。ドクロの仕掛けにさらにビビる。ゴング。パパ・シャンゴがハンマーパンチ、噛み付き、ボディアタック、キックで先制攻撃。カマラはチョップ、ヘッドバット、クロスチョップ、ボディプレス(自爆。お約束)。反則攻撃のパパ・シャンゴ。カマラのマネージャーにも手を出す。「ちょこん」とトラースキックを食らってパパ・シャンゴが場外にエスケープ。追うカマラ。結果は両者リングアウト。決着つかず。いかにもアメプロらしい内容と結末。アントニオ猪木の試合などプロレスをマジメに見てきたファンがこの試合を見たら「こんなもんプロレスじゃない」と怒るかも。しかしながら、わかりやすいキャラ設定で、試合内容も悪くない。初めてプロレスを観るファンでも楽しめるのがアメプロ流の演出。その後のパパ・シャンゴ。個人的には良いキャラだと思うがアメリカではあまりウケなかったらしく、キャラ変。「カマ」としてファルークの黒人至上主義軍団「ネーション・オブ・ドミネーション(NOD)」に参加。次いで「ザ・ゴッドファーザー」なるいかがわしいキャラに。


その後

WCWにも参戦したキマラ。セミリタイアしてトラック運転を本業に。時折、リング復帰。2011年、糖尿病の合併症で左足を失い、現役引退。2020年、コロナウイルスで死去(70歳没)。会場を沸かせた楽しいレスラーだったが、最期は悲しいものとなってしまったのが残念。

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